岡永歯科は、昭和63年に開業しました。その間に、いろいろなことが起きました。しかし、リーマンショック以降の日本は酷すぎます。
岡永歯科が開業した当時は、バブル景気に日本中が沸いていました。当時は、多くの国民が中流意識を持っていました。「一億中流意識」の時代だったのです。ですから、保険診療を受けられない患者様は、例外的な存在だと思っていました。
しかし、今の日本は、どうでしょうか。日本の国民皆保険制度は、崩壊の危機にあります。先の見えない長引く不況により、一億中流の没落が始まり、保険診療すら受けられない患者様が増えてしまいました。だから、多くの歯科診療所で自費診療だけでなく、保険診療の患者様も減ってしまったのです。これで良い訳ないでしょう。
参考までに、生活保護の審査基準となる最低生活費について簡単に補足しておきます。1ヶ月の平均収入から家賃、保険料などの経費を差し引いた金額が下記の最低生活費を下回っている場合、生活保護と同等とみなされ、無料診療となります。また、生活保護の120〜140%未満(医療機関によって異なります)しか収入がない場合、低額診療となって窓口負担金が減額されます。
<世帯構成別事例>
@夫婦・子2人世帯 約20万円
A母子3人世帯 約19万円
B高齢者2人世帯 約13万5千円
C重度障害者を含む2人世帯 約19万円
興味ある方は、生活保護【基準と金額】の計算方法をWeb上に公開していますので、どうぞご利用してください。私見ですが、2割前後の患者様が申請すれば低額・無料診療制度の適応になるのではないかと考えています。
そこで、岡永歯科では、医療相談室を設置し、無料・低額診療を始めることにしました。今、歯科診療所に求められているのは、このような地域社会に根ざした地道な取り組みではないでしょうか。しかし、残念なことに、こんなに歯科診療所が多いのに無料・低額診療を実施しているところはほとんどありません。
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