例え話が飛んで申し訳ありませんが、獣医師の話をします。開業獣医師と動物園の獣医師の役割の違いです。
開業獣医師は、病気になったペットの診療を行います。歯科診療所の外来診療のようなことを行っています。
それに対して、動物園の獣医師は動物の健康管理を行っています。絶えず動物の健康状況をチェックし、病気を早期に発見して対処しています。
訪問歯科診療における歯科医師の役割ですが、どちらかと言うと動物園の獣医師に近いのではないでしょうか。『口腔ケアを通じて高齢者の健康管理を行いながら、病気を早期に発見してひどくなる前に治療する』のが、訪問歯科診療における歯科医師に求められることではないでしょうか。
入れ歯も、訪問歯科診療と外来歯科診療とでは異なってきます。訪問歯科診療では、いろいろと制約があり、歯科診療所外来歯科診療のように診療ができません。その為、入れ歯を作り直すのも大変なのです。
また、訪問歯科診療の対象となる患者さんは、お口の状況がは変化しやすく、歯を足して修理したり、合わなくなったのを調整したりすることが多いです。
そのように考えると、修理したり調整するのが容易な入れ歯が、ファーストチョイスになります。
金属のバーを使った入れ歯、丈夫で違和感も少ないので、歯科診療所の外来歯科診療では喜ばれます。しかし、歯がダメになって無くなっても、歯を足して修理することができません。その都度、入れ歯を作り直さなければなりません。
それに対して、全部プラスチックの入れ歯、違和感がありますが入れ歯の修理が容易です。歯がダメになって無くなっても、すぐに歯を足して噛めるようにすることができます。
訪問歯科診療と外来歯科診療に求められる入れ歯の違い、ご理解いただけましたか。