口腔ケアの方法
お心当たりがある方は、歯科を受診して、口腔ケアや口腔リハビリで改善させましょう!
口腔ケアでみんなハッピー
抵抗力や体力が落ちている高齢者にとって、お口の中の細菌は大敵です。
口腔内の細菌が、誤嚥性肺炎の原因となるだけでなく、血管障害、心臓病、糖尿病などの疾患を引き起こすこともわかってきています。
要介護者のお世話をする介護者の方は、日々の介護に追われて、お口の中の異変に気づいた頃には、かなり悪化していることが少なくありません。しかし、全身の病気を併発したら、入院をしたり、看病にかかりきりになってしまったりになりかねません。そうなると、さらに介護者に大きな負担がかかることにもなります。
そこで、口腔ケアの出番です。もしかしたら、その病気は、口腔ケアをすることで予防できるかもしれません。介護の量が軽減される口腔ケアは、介護を受ける側だけでなく、介護をする側にとっても大きなメリットをもたらします。
口腔ケアでQOLを向上させよう!
お口のトラブルは、口腔ケアをしっかり行い不具合を治療することで改善することができます。また、口腔ケアは、お口のトラブルの予防だけでなく、食べることや話すことをサポートし、QOL(生活の質)を向上させる目的もあります。
自分の口で「おいしく食べる」ことは大きな楽しみであり、生きる意欲にもつながります。また、脳や体も元気にします。さらに、命を脅かす危険のある誤嚥性肺炎の予防にもなります。
口腔ケアは、健康面だけではなく、心理面への影響が大きく、高齢者のQOLを向上させる大きなカギを握っています。お口は、いきいきとした高齢期を送るためにも大切な器官なのです。
@免疫力をアップする
唾液には、汚れを落とす洗浄効果があり、抗菌物質も含まれています。口の中がきれいになれば、唾液の出もよくなり、口から入った細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぎます。
A噛むことが老化防止になる!
噛むことは、脳への血流を増やし、脳の動きを活性化します。実際に認知症の人ほど口の中にトラブルをかかえ、噛むことができない状態が多いという報告もあります。
つまり、よく噛むことで脳の若さを保ち、認知症の予防につながると期待されています。
口腔ケアは、早く始めるに越したことはありませんが、今から始めても手遅れということは絶対にありません。心と体の健康を維持するためにも、口腔ケアを習慣化しましょう。
口腔ケアで感染症予防
冬は、インフルエンザやノロウイルスによる感染性胃腸炎など、ウイルスや細菌による感染症が流行する季節です。
冬に感染症が増えるのは、空気が乾燥することで、ウイルスの水分も蒸発して空気中に漂いやすくなるとともに、乾燥を好むので、ウイルスの感染力そのものも強まります。さらに、空気が乾燥していると、くしゃみやせきの飛沫が小さくなり、飛沫に含まれるウイルスが遠くまで飛びやすくなることで感染が広がり、感染のスピードも早まります。
人の喉や鼻の中は、粘液で適度に湿っていてウイルスなどの侵入を防ぐ役割をしていますが、冬は喉や鼻の粘膜が乾燥して傷むためにウイルスなどが体内に侵入しやすくなるのです。
また、口の中の細菌が作り出す「プロテアーゼ」という酵素が粘膜を破壊することで、さらにウイルスが侵入しやすくなることもわかっています。
歯苔や歯石、舌苔などがあってお口の中が汚れていると細菌が増殖してプロテアーゼも増えるので、口腔ケアでお口の中を清潔にいておくことも感染予防につながります(合わせて、手洗いとうがいも徹底して行いましょう)。